赤ちゃんの睡眠メカニズム入門編

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子どもがなかなか寝てくれない。

そもそも眠気はどうやったら出るの? 早く寝させるためには、一体どうすればいいの? そんなふうにお考えのママやパパもいると思います。

大人でも子どもでも、脳をしっかりと休めるために「質の良い睡眠」をとることは大切ですが、そのために欠かせない3つのものがあります。
それが、「メラトニン」、「セロトニン」、「トリプトファン」です。
これらはお互いに密接に関わりながら、人間の睡眠に大きな役割を果たしています。

今回は「眠りのメカニズム」を、睡眠ホルモンを例に、わかりやすくご紹介します。

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赤ちゃんや子どもの睡眠にとって重要なホルモン

言うまでもなく、赤ちゃんや子どもの成長にとって睡眠は重要です。

眠りが不健全(睡眠不足、昼夜逆転、就寝時間がばらばら等)だと、精神面や身体面で深いダメージを与えてしまいます。
さらに、幼いころの睡眠習慣は大人になってからも影響します。

だからと言って、ただ夜に寝かせれば良いという単純なことではありません。
時計の針が夜を指したからといって、自動的に眠くなって睡眠をとっているわけではないからです。

眠くなるのは、ホルモンの働きによります。
睡眠は特に「メラトニン」というホルモンが深く関わっています。

メラトニンとセロトニン

体内時計に深く関わるホルモンがメラトニンです。

メラトニンは別名「睡眠ホルモン」とも呼ばれ、脳内の松果体という器官から分泌され、眠気を誘発する働きをしています。

実は、メラトニンは少し変わった特徴を持っています。
普通のホルモンは刺激を受けるとすぐに分泌されますが、メラトニンは朝、太陽の光を浴びて刺激を受けてから、その後分泌されるまでに10時間以上かかります。
また、夜、暗くなればなるほど、血液中への分泌量が高まります。

しかし、不規則な生活を続けていたり、朝起きる時間が遅かったりすると、夜になってもメラトニンの分泌が増えていきません。
すると、寝る時間になっても眠気が訪れず、寝つきの悪さに悩まされることになるのです。

では、メラトニンの分泌量を増やすにはどうすればいいのでしょうか?

そのカギは、「セロトニン」にあります。
セロトニンは別名「覚醒ホルモン」と呼ばれる、脳内の神経伝達物質です。

セロトニンは、心と体を活性化させ、精神面の安定に重要な働きをします。
セロトニンが不足するとイライラや集中力の低下を招き、不眠症やうつ病の原因にもなり得ます。

セロトニンを増やすためには、規則正しい生活をして、日中、太陽の光を浴びることが重要です。

メラトニンとセロトニンの関係

メラトニンはセロトニンから作られます。
生成だけでなく、これらは連動もしています。

メラトニンが夜間に分泌されるのに対し、セロトニンが分泌されるのは日中です。
特に、太陽の光を浴びることにより、セロトニンの分泌は促進されます。
昼間に活発に動いてセロトニンが増えるほど、夜のメラトニン分泌が活発になりよく眠れるということです。

しかし、いくら日中に太陽を浴びて体を動かしても、それだけではセロトニンの量を増やすことはできません。
ほかにも必要となる要素があるのです。

セロトニンを作るには、「トリプトファン」という必須アミノ酸がなくてはなりません。
これは食べ物から摂取します。残念ながら人体では生成できません。

肉や魚などのタンパク質が、トリプトファンを摂取するのに最適の食事ですが、いろいろなものをバランス良く食べるのが一番良いでしょう。

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睡眠中に分泌されるホルモンとは

メラトニンは眠っていたとしても、明るい場所での分泌は抑えられてしまいます。
このため、真っ暗な部屋で寝る必要があるのです。
眠る直前までテレビを見たり、ブルーライトを浴びることも避けましょう。

睡眠中には大事なホルモンがたくさん分泌されています。
代謝を促進させ疲労回復などに効果のある成長ホルモンや副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモンもあれば性腺刺激ホルモンも出ています。

親も子どもも毎日質の良い睡眠をとるために、それぞれの家庭の生活リズムと睡眠リズムを見つけることが大切です。