子どもの夜泣きがひどくて、何をしても泣き止まない!
そんな時「どうしようもないから、放っておくしかないのでは?」と考えてしまうのも自然なこと。
そもそも欧米では赤ちゃんを初めから一人寝させるのが主流ですが、夜泣きにはどうのような対応をとっているのでしょうか。
「少しくらいなら、夜泣きを放置しても大丈夫?」
「夜泣きを放置するとどうなるの?」
「欧米ではどうしてるの?」
今回はそんな疑問にお答えします!
夜泣きを放置すると、どうなるの?
一般的な感覚として、夜泣きをしたらお腹や背中をトントンしたり、抱き上げたり、授乳したりしますよね。
しかし、これらは逆に赤ちゃんの覚醒につながっていることもあります。
夜泣きだと思ったら、実は寝言で泣いていただけなんていう場合もあります。
※関連記事:赤ちゃんの寝言泣きとは?いつまで続く?
ですので、赤ちゃんが泣きだしても、まずは何もせずに少しの間様子を見ることをおすすめします。
夜泣きは放置した方が良いという場合もあるのです。
また、赤ちゃんが泣くことは決して悪いことではありません。
泣くだけ泣いた後は、気分がスッキリして落ち着いて眠れる場合もあります。
放置された赤ちゃんの影響は?
夜泣きを放置すると、情緒に大きな問題を抱えてしまうのではないか、愛のない冷たい人間になってしまうのではないか、もしくは、人間関係がうまく築けないのではないかなどと言われたりします。
これらは愛着障害と混合された指摘とも言われ、実際には放置してもさほど悪影響はないとも言われています。
しかし、私は愛着障害と赤ちゃんの放置を、完全に切り離して考えることはできないのではないかと思っています。
赤ちゃんが泣くのはパパやママを信頼しているからこそです。
赤ちゃん時代にパパやママと愛着関係を築くことで「基本的信頼感」が作られます。
これは生きることへの安心感に繋がり、その後の人生を幸せに生きるための土台となると言われています。
ただし、場合によっては、好きなだけ泣いて、スッキリ爽快になる子もいます。
もちろん毎日何時間も泣かせっぱなしにしたり、命に危険が及ぶのを放置しているのは論外です。
放置という言葉の聞こえが悪いのですが、意味のある放置(寝言泣きの見極め、寝かしつけの変更の際など)は必要な時もあるので、状況を見て赤ちゃんが不安になりすぎないよう工夫して行いましょう。
海外ではどうしてる?
海外ドラマなどで、子ども部屋に一人で寝ている幼い子どもをみかけます。
欧米の家庭では幼いころから寝室を別にすることが多いようです。夫婦の時間を大切にしているのと、日本とは異なる住宅事情があります。
狭い住居で周囲に気を遣う日本に対して、アメリカは泣きわめく子どもを放置しても迷惑行為にはなりません。
また、個室にモニターを付けてチェックすることもあります。
欧米式、放置して寝かせる方法(一人寝)
アメリカ人の小児科医が開発した寝かしつけ方法があります。
まずは夜泣きをしていても、あやし続けない覚悟をします。
眠ってから、親は立ち去ります。泣き始めれば、近くで待ちます。初めのうちは3分ほど、泣いている状態で放置します。
3分経過してから、声をかけたり体を触れるなどしてあやします。大切なのは、あやす時間が1分以内だということです。この間隔を次第に広げてゆき、一人で眠れることを教えてあげるのです。
この際の注意点として、子どもの状態をよく見ることが必要です。矛盾する言い方かもしれませんが、様子を確認できる環境を整えて放置します。
泣きすぎても死ぬことはない、などと言われますが、過呼吸になったり唾液を詰まらせてしまうことがあるからです。
※関連記事:日本の赤ちゃんにぴったりなネントレ方法
できれば、放置(一人寝)よりも添い寝を
ここまで説明してきた通り、「放置」と言っても、寝言で泣いているかどうか見極めるための放置と、一人寝のトレーニングのための放置には違いがあります。
寝言泣きの時に、数分間放置して様子をみることは大切だと思います。
しかし、欧米式の一人寝は、私自身はあまりおすすめしていません。
確かにこの方法で、赤ちゃんは数日後には泣かずに寝るようになることも多いようです。
しかし、泣かなくなるというのは、「どうせ泣いても誰も来てくれない・・・」と赤ちゃんが諦めているようなものではないでしょうか。
さらに、精神科医の岡田尊司氏が、自身の著書「母という病」の中で明言していることがあります。
岡田氏によると、最近の研究で、日本人などのアジア系の子どもでは白人の子どもに比べて不安の強い遺伝子タイプの持ち主が多く、母親の関わりの影響を欧米人以上に受けやすいことがわかってきました。
不安の強い遺伝を持つか持たないによって、愛情不足に敏感なタイプと平気なタイプ(鈍感なタイプ)の違いが生まれます。
特に、愛情不足に敏感なタイプは、親の影響を引きずりやすいです。
そして、実は日本人などのアジア人種は愛情不足に敏感なタイプが三分の二を占めます。
逆に、白人の場合は6割が鈍感なタイプです。
つまり、欧米では当たり前に行われている自立と自己責任を重んじる子育てスタイルをそのまま日本人が真似することには大きな落とし穴があるということなのです。
もともと傷つきやすい日本人の赤ちゃんに欧米式の子育てを実践することで、その頃に味わった不安が脳の発達自体に悪影響を及ぼす可能性があります。
それは、子どもが成長してからの人間関係やストレスの感じ方にも影響します。
つまり、日本人に多い添い寝の習慣は赤ちゃんに「お母さんに守られている」という安心感を与えやすくとても良い習慣だと言えます。
いくら、「夜泣きがなくなるかもしれない」と言われてもやはりそれが子どもの精神衛生上良いのかどうかは心配ですし、考慮しなくてはいけない点だと思います。
もちろん、添い寝しながらでも夜泣きをなくすことはできるので、この他の記事もご参考にしてくださいね。
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