子どもの質の良い睡眠のために、レム睡眠とノンレム睡眠について知ろう

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「質の良い睡眠をとりましょう」

睡眠関係の書籍やインターネット、テレビなどでよく見かけるフレーズです。 お子さんの睡眠にお悩みの方なら、一度は見たり聞いたりしたことがあると思います。

確かに質の良い睡眠はとても大切です。

特にお子さんが「夜間に何度も目を覚ます」、「夜泣きがひどい」、「日中いつも眠そうにしている」、「日中機嫌が悪く、ぐずっている時間が多い」といった悩みをお持ちの場合、いかに夜に質の良い睡眠を確保するかが悩み解決のカギになります。

では、そもそも、「質の良い睡眠」って何?

どうすれば「質の良い睡眠」がとれるの?

何で睡眠の質が大事なの?

今回はそんな疑問にお答えします!

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質の良い睡眠とは!?

睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠の2つの種類があります。

このレム睡眠やノンレム睡眠に関しては、以前こちらの記事⇒赤ちゃんが頻繁に起きるわけでも触れましたが、言葉自体が有名ですので、もともと知っている方も多いと思います。

レム睡眠は夢を見ているときの「浅い眠り」です。

それに対して、ノンレム睡眠は「深い眠り」です。

具体的には以下のような違いがあります。

レム睡眠 ノンレム睡眠
眠りの深さ 浅い 深い
比較的活動している。そのため眼球に動きがみられる。 休んでいる
休んでいる。筋電図も最低の値になる。 休んでいるが、筋肉の活動は少しある。
自律神経 不安定になる。心拍数の変動も激しい。 副交感神経が優位になり、ゆったりした状態。

ここで覚えておいて頂きたいことは、実は睡眠には、5種類の睡眠深度があり、さらにノンレム睡眠は4種類の睡眠深度があるということです。

つまり、一番浅い睡眠はレム睡眠。

次いで、ノンレム睡眠(ステージ1)

ノンレム睡眠(ステージ2)

ノンレム睡眠(ステージ3)

そして一番深い睡眠が、ノンレム睡眠(ステージ4)

という順になります。

ステージ3とステージ4のノンレム睡眠は、すぐには目覚めることができないほどの深い眠りです。

物音がしても、声を掛けられても、そう簡単には目覚めません。

実は、「質の良い睡眠」というのは、このステージ3と4のノンレム睡眠のことを指しているのです。

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質の良い睡眠が大切なわけ

では、なぜ「深いノンレム睡眠=質の良い睡眠」なのかというと、それは、この深い睡眠の間に脳をしっかりと休めることができるからです。

睡眠の役割というと身体の休息を思い浮かべがちですが、一番の役割は脳の休息なのです。

大人でも睡眠不足のとき、「なんだかイライラする」とか、「どうも集中できない」などと感じることがあると思います。

赤ちゃんや子どもも同じで、睡眠不足のときは体の調子が悪く、スッキリとしないため、必然的に日中もグズる時間帯が多くなります。

これは、脳の疲れがとれていないためです。

脳は睡眠によって休息させなければ、その機能を充分に発揮できなくなります。

ちなみに、ノンレム睡眠が哺乳類にとって欠かせないことが動物実験でも確かめられています。

シカゴ大学で行われた実験によると、強制的にノンレム睡眠を遮断されたハツカネズミは、3週間後にはすべて死んでしまったそうです。

つまり、夜泣きがひどい子や日中いつも機嫌が悪い子の場合は、深いノンレム睡眠が充分にとれておらず、慢性的な睡眠不足である可能性が高いと言えます。

では、ステージ3と4の深いノンレム睡眠は、どのタイミングで訪れるのでしょうか?

これを知っておくことはとても大事です。

実は、ステージ3と4の深いノンレム睡眠は、寝入りばなの3時間に集中して訪れます。
(子どもの場合、寝始めてから約10分後には深い睡眠に入ると言われています。)

つまり、特に寝入りばなの3時間は、子どもの眠りが妨げられないように気を付ける必要があります。

寝かしつけは必ず真っ暗な部屋で行い、静かで安心できる環境の中で眠りにつかせてあげましょう。

子どもは大人よりも暑さに敏感ですぐに目覚めやすいため、特に夏場は、部屋の温度や湿度、寝具などの配慮も必要です。

寝る子は育つ!? 質の良い睡眠で成長ホルモンの恩恵を受けよう!

昔から「寝る子は育つ」とよく言われてきましたが、これは科学的にも証明されている事実です。

子どもの成長と睡眠には、とても深い関係性があります。

睡眠の働きの中でも、特に重要な働きとして、睡眠時の「成長ホルモン」の分泌があります。

成長ホルモンは、体組織の修復や再生をする働きを持っています。

筋肉を増やしたり骨を伸ばしたり、脂肪を分解してエネルギーを生み出したりして成長を促すため、子どもの健全な発育にとって、大変重要な役割を担っています。

成長ホルモンの分泌が減ってしまうと、疲れが取れない、病気に対しての抵抗力や免疫力が落ちる、肌が老化する、脂肪が増加するなどの弊害があります。

つまり、子どもだけでなく大人にとっても非常に大事なホルモンの一つです。

成長ホルモンは、午後10時~午前4時の間に多く分泌され、夜中の2時頃に分泌量のピークを迎えます。

特に、深い眠りの状態にあるノンレム睡眠の時に多く分泌されると言われています。

また、眠りについてから約2時間後に分泌されと言われているため、子どもの場合は遅くとも20時までには寝かせてあげると良いということになります。

「寝る子は育つ」とは確かに本当のことですが、これは子どもは寝ていれば自然に育つということではなく、成長ホルモン分泌の観点から、子どもが成長するためには「質の良い睡眠」が大切であるという意味で捉えると良いでしょう。

子どものころから成長ホルモンがあまり分泌されない人の場合、若くして生活習慣病にかかりやすいとも言われています。

成長ホルモンは赤ちゃんから大人まで誰にでも必要不可欠で、これを分泌させるためには何よりも質の良い睡眠(つまりステージ3と4のノンレム睡眠)が重要なのです。

(そのほかには、適度な運動も効果的とされています)

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