ママ友達や知り合いの赤ちゃんと我が子を、ついつい比べてしまうことはありませんか。
同じ赤ちゃんでも性格や個性は人それぞれで、まさに十人十色。
睡眠に関してだけ見ても、寝付きの良い子、悪い子、すぐに目覚めてしまう子、一度寝たら長時間ずっと寝続ける子など、実に様々です。
そもそも個性や、性格って生まれつきなのでしょうか?
今回はそんな赤ちゃんの個性と睡眠についてのお話です。
赤ちゃんの個性はいつから出る?
赤ちゃんは、遺伝的な個性をしっかりと持って生まれてきます。
このことを明らかにしたのは、アメリカの小児科医のトマスとチェスです。
彼らのおこなった大規模な研究の結果、赤ちゃん一人ひとりが示す行動の違いは、生まれながらに備わった体質をベースにしており、ある程度の部分は成長しても変わらない「気質」であると考えられるようになりました。
気質は遺伝子から強く影響を受けていると言われ、生後3、4ヵ月頃には赤ちゃんの個性として現われてきます。
トマスとチェスは、多くの赤ちゃんを以下の3つのタイプに分類しました。
①扱いやすい子
環境の変化に慣れやすく、生理的リズムが安定し、機嫌の良い時が多い子。
(約40%の赤ちゃんがこのタイプ)
②出だしの遅い子
環境変化には慣れにくいが、反応は穏やかで活動性が低い子。
(約15%の赤ちゃんがこのタイプ)
③気難しい子
環境の変化に慣れにくく、生理的リズムは不規則で、反応が強い子。
(約10%の赤ちゃんがこのタイプ)
そして残りの35%の赤ちゃんは、上記の3つのタイプを合わせ持ったタイプです。
もちろん赤ちゃんの頃の個性が、そのまま一生続くわけではありません。
皆生まれ持った気質はあるものの、その後の経験、環境、人間関係の影響や赤ちゃん自身の意思で、性格は成長するごとに変化していきます。
ただ、赤ちゃんには生まれつきこのような気質があるということを知るだけでも、「この子はこういうタイプの子なんだ」というふうに思えて、扱い方や考え方が変わってくると思います。
それぞれの赤ちゃんの個性に合った子育てや対応がしやすくなるのではないでしょうか。
ご自分の赤ちゃんの性格がどうなのかじっくりと観察して見抜いていくのも楽しいですよね。
性格、泣き方、眠りの個性について
ささいなことで大泣きして止まらない赤ちゃんもいれば、注射をしてもすぐに泣き止む赤ちゃんもいます。
騒音がしてもよく眠る赤ちゃんもいれば、ささいな物音にさえ敏感に反応する赤ちゃんもいます。
性格や個性は生まれたときから人それぞれで、好き嫌いは、生まれた日からあるとも言われています。
ですから、その子の個性をじっくり推し量り、伸ばす方法を考えるのがより良いとされます。
もちろん、なかなか眠ってくれないからといってすぐに諦める必要はありません。
生活リズムや環境などを整えることで後天的に改善することは可能です。
ただし、睡眠は生まれてからの環境要因も大事ですが、生まれるつき持ち合わせている赤ちゃんの気質や遺伝的要因も総合して成り立っています。
そのため、例えば「気難しい」のタイプの赤ちゃんだった場合、環境の調整や変化に慣れにくく、なかなか睡眠問題が改善されないというお子さんも少なからずいます。
もし、お子さんがそのようなタイプであると考えられた場合には、睡眠問題の原因探しだけにとらわれず、周りの人に頼ったり、なるべくママが息抜きしやすく、育児を楽にする道も探してみると良いと思います。
お子さんの個性と付き合いながらも、あまり気負い過ぎないことが大切です。
短時間睡眠と長時間睡眠は赤ちゃんの個性?
大前提として、育児本や雑誌、インターネットでの情報は、あくまでも目安であり、平均値が書かれています。
そのため、実際の睡眠時間とはズレが生じるものです。
月齢が同じ他の赤ちゃんと、同じ時間だけ眠る必要も心配もありません。
こちらのブログでも一般的なお話をさせてもらっていますが、赤ちゃんの眠りは日中の活動量や、体調、気候の変化、赤ちゃん自身の成長によっても日々変わってくるものです。
大人にも5時間睡眠で十分な人と、9時間は寝ないと体がもたないという人がいるように、赤ちゃんの眠りにも個性があり、必要な睡眠時間も様々です。
お昼寝や、全体の睡眠が足りているかどうかは、お子さんが日中ご機嫌で元気に過ごせているかどうかを確認して判断してみてください。
日中に不機嫌なことが多い場合や、お昼寝も少ないのに夜も眠りが浅く頻繁に起きるなどといった気になることがある場合には、要注意です。
この場合には、お昼寝を含め、生活リズム全体を見直してみましょう。
それぞれのお子さんにあった睡眠時間を知り、その睡眠時間を確保する環境や生活を整えていくことが求められます。