母乳育児は夜泣きの原因になる!?

Hbsches Baby mit Flschchen

「母乳の時よりも、粉ミルクにした時の方が夜泣きをしない気がする」というママがいますが、本当にそうなのでしょうか?

完全母乳が赤ちゃんのために良いというのは、周知の事実です。
しかし、本来なら完全母乳で育てたいと思っていたママが、夜泣きをなくすために母乳をやめてしまったり、夜間だけ粉ミルクにしたりしてしまうこともあるようです。

ですが、果たして本当に粉ミルクの方が夜泣きを軽減する効果があるのでしょうか?
そもそも、母乳と粉ミルクはどう違うのでしょうか?

そんな疑問にお答えします。

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母乳と粉ミルクの違い

母乳には、赤ちゃんを育てるため必要な栄養素の全てが含まれています。免疫の効果があったり、エネルギーとなったり、ビタミンやミネラルなどもバランス良く含まれています。

ただし母乳だと、ママがお酒や薬を飲むとその成分もおっぱいに出てしまいますので、ほとんどの場合これらを飲むことができません。さらに、赤ちゃんにアレルギーなどがある場合には、ママは自分の食事にも気を付ける必要が出てきます。
そういった面で考えると、粉ミルクの場合、とても安定しています。種類やタイプも様々なものがあります。
母乳はママしかあげられないのに対し、粉ミルクであればパパにもあげることができますし、その間ママの体を休ませてあげることができます。

夜泣きと母乳、粉ミルクの関係

赤ちゃんが夜に泣いた時、落ち着かせようと背中をトントンしてみたり、優しく揺らしてみたり、抱っこしたりする場合もあると思います。
しかしそんな中でも、赤ちゃんがほぼ確実に泣き止む方法といえば、おっぱい、もしくはミルクを飲ませることだったりしますよね。

ただ、一般的に、夜中に粉ミルクのあげすぎはあまり良くないと言われます。夜食になってしまい、食事のリズムが狂うからです。粉ミルクをあげる場合には、量の調整が必要です。
「ミルクは消化に時間がかかるので、3時間は空けましょう」と指導されることもあるでしょう。

母乳であれば消化が良く、栄養過多になることがないため、いつでも赤ちゃんが欲しがるだけあげても良いと言われています。
けれども、夜中に何度もおっぱいをあげないといけなくなるとママも大変ですし、赤ちゃんもおっぱいをもらうのが癖になって頻繁に目を覚ますようになります。
月齢にもよりますが、本来は、日中にたくさんおっぱいを飲んでいれば、夜間の授乳回数は多くても2~3回程度で十分なのです。

粉ミルクの方が寝てくれるというのは本当か嘘か、それはなぜか

粉ミルクと母乳は似て非なるものです。
簡潔にいってしまうと、粉ミルクの方が腹持ちが良いのです。そのため、粉ミルクを飲んだ赤ちゃんの方がよく寝てくれるということは一理あります。寝る前に粉ミルクをあげると眠る時間が長くなるケースは考えられることでしょう。
逆をいえば、粉ミルクは母乳よりも消化が悪く、母乳は消化が良くてすぐお腹が空いてしまうということです。

ただし、完全母乳の赤ちゃんでも、しっかりと長い時間眠ってくれる赤ちゃんがたくさんいることもまた事実です。

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母乳育児のせいで夜泣きに繋がることはあるのか

結論からいえば、夜泣きと母乳の関係は明確にはありません。

母乳の赤ちゃんが粉ミルクの赤ちゃんに比べて夜泣きをしたり、夜間に起きる回数が増えると言われるのは、消化の問題以上に、夜間のママの対応の違いだと考えられます。

夜中に赤ちゃんがフニャフニャと言ったとき、母乳育児のママだと「お腹がすいたのかな?おっぱいが足りないのかな?」と思ってすぐに母乳をあげてしまいがちです。
母乳だと授乳量が目では見えないためママも不安になりやすく、たとえ1時間おきであってもすぐに授乳してしまう場合が多いのです。

一方、ミルク育児のママは、母乳と違ってミルクを欲しがるだけあげても良いとは考えていないため、前回のミルクから3時間程空いていなければ、すぐにミルクをあげることはあまりしません。
その代わり、少し様子を見るか、ミルク以外の方法で赤ちゃんをあやす方法をとることが多いでしょう。
結果的にこれが功を成して、寝言でフニャフニャ言っていただけの赤ちゃんを起こすことなく、そのまま眠りの世界に戻ってもらうことができるのです。

母乳育児のママは頻繁に授乳することで、赤ちゃんが夜間に起きる回数を無意識に増やしてしまっているとも言えます。
良かれと思ってしたことが、逆に赤ちゃんの眠りを妨げてしまっている場合もあるということです。

夜間の授乳間隔を守ることが大事

基本的に、母乳育児の赤ちゃんでも生後2か月頃を過ぎたら、夜間の授乳間隔は3時間程度空けても問題ありません。
授乳量が心配なママも、夜間は2~3回程度の授乳にとどめ、できるだけ日中にたくさん飲んでもらえるようにしましょう。

赤ちゃんはおっぱいが大好きです。
1時間おきなど、ちょっと寝言でフニャフニャ泣くたびに母乳をあげていると、「これくらい泣けばおっぱいがもらえる」ということを学習してしまいます。
すると、浅い眠りになったときにすぐに目を覚まし、大好きなおっぱいを欲しがる癖がついてしまうのです。
これが新たな夜泣きや、頻繁に目を覚ます原因にもなります。

母乳育児であれ、ミルク育児であれ、厳密でなくてもいいので、だいたいの授乳間隔は守ることが大切です。
そうすることで、必要以上に赤ちゃんを起こさずに済みます。寝言を言っている赤ちゃんの眠りを邪魔することもありません。

つまり、ママが夜間の赤ちゃんへの対応にさえ気をつければ(すぐにおっぱいをあげないこと)、夜泣き対策のためにわざわざ粉ミルクに変える必要はないということです。
母乳育児のママは自信を持ってそのまま続けてもらえれば大丈夫です。