子どもにおしゃぶりをさせると、歯並びが悪くなる?
クセになってしまう?
欧米では当たり前のように赤ちゃんに使われているおしゃぶりですが、日本では賛否両論があり、海外ほど普及していないのが現状です。
日本の小児科医と海外の小児科医の見解も、「使うべきでない」と「使うべき」の真反対です。
でも、子どもがグズってどうしようない・・・という時、もし効果があるのなら頼れるものに頼りたくなるのが親の正直な気持ち。
それでは、実際、おしゃぶりのメリットとデメリットは、一体どのようなものがあるのでしょう。
今回は、気になるおしゃぶりの真相やその正しい使い方から、止めさせる方法までをご紹介します!
おしゃぶりのメリット
多くのママやパパが着目しているおしゃぶりのメリットと言えば、やはりグズっている赤ちゃんを簡単に泣き止ませてあげられるということでしょう。
おしゃぶりをすると、赤ちゃんはリラックスするためのホルモンを分泌し、精神的な安定を得ることができます。
悩める子育てママ・パパの味方として、大きな力を発揮してくれるのです。
その他にも、おしゃぶりを使用していると、鼻呼吸の習慣がついたり、舌や顎の発達を促す効果や、寝かしつけが楽になる(安眠グッズとなる)といったメリットが挙げられます。
なかでも、赤ちゃんの精神安定と並んでおしゃぶりの大きなメリットであると言われているのが、「鼻呼吸が身につく」ということです。
普段口を開けたままだと、吸い込んだ空気が直接喉に届き、冷えた空気や雑菌などが喉についしまい風邪をひきやすくなります。
また、子どもが成長してからも、口呼吸による集中力の低下や、寝てもなかなか疲れが取れないという悪影響を避ける上で、赤ちゃんの頃から鼻呼吸の習慣をつけておくことはとても良いことと言えます。
近頃は、口呼吸の子どもが増えていることが懸念されているため、それを未然に防ぐ目的としてもおしゃぶりを使用しているママやパパもいます。
おしゃぶりのデメリット
おしゃぶりのメリットに対して、デメリットもいくつか挙げられます。
特に着目されているデメリットは、クセになりやすい(依存性がある)ことと、歯並び・噛み合わせへの悪影響の問題です。
さらに、頻繁におしゃぶりをしていると、手と口を使って学習する機会や、発語の機会を減らしてしまう可能性があるため、赤ちゃん特有の「口に入れて物を確かめる」ということや、言葉の発達の遅れ、はたまた、パパやママとのコミュニケーション不足などの問題が懸念されています。
過去には、おしゃぶりの長時間使用の長期間継続による歯並び・噛み合わせの悪化が裁判に発展したこともあるほどです。
こうしたこともあったせいなのか、近年はおしゃぶりはなるべく使わない方が良いとする説を支持する声が大きくなっているようです。
とはいえ、外出先でどうしてもちょっと泣きやんでほしい時や、寝てくれない時などには心強い味方になってくれるのがおしゃぶりだと思います。
おしゃぶりの力を少し借りることで、ママ・パパや赤ちゃん、どちらも穏やかに過ごせることは決して悪いことではありません。
おしゃぶりを使用する場合は、その特性や使い方を理解して、時間を決めて使うことで悪影響は少ないと言えます。
おしゃぶりの使用方法に関して
赤ちゃんがぐずったり泣いたりしている時に、おしゃぶりを与えることで落ち着かせる効果があることがありますが、もちろん、とりあえずおしゃぶりを与えておけばいいわけではありません。
抱っこをしたり、授乳したり、触れあったり、赤ちゃんの要求を察してあげる努力をすることも重要です。
様子をみて、赤ちゃんが自然におしゃぶりを離せるようなら取りましょう。
どんなに長くても、使用時間は1日を通して3時間くらいまでを目安にします。
また、せっかく買ったおしゃぶりを嫌がることがあります。
そんなときはすぐに買い換えるのではなく、反射を利用します。
赤ちゃんが眠そうにタオルなどを口にしていることがありませんか。
赤ちゃんには、口を刺激すると吸い付く行動をします。
吸啜反射といい、おっぱいを飲むための本能といわれていますが、これを利用し、おしゃぶりを少し動かして口元を刺激してあげます。
すると自然に食いつきます。
もちろん、おしゃぶりの形状が気に入らないのかもしれません。
そもそも、おしゃぶりの嫌いな赤ちゃんもいます。
さらに、歯並び・噛み合わせなどへの悪影響を避けるためにも、2歳前後までにはなるべくおしゃぶりは卒業させるようにしましょう。
おしゃぶりを止めさせるときに苦労するというイメージがあるかもしれませんが、何の苦労もなく自分で勝手に卒業する子もいれば、執着してなかなかやめられない子もいます。
おしゃぶりはいつからいつまで使える?
おしゃぶりは、生後2ヵ月から2歳前後までを目安に使います。
ただし、6ヵ月以上の赤ちゃんは食べ物や興味の幅が増えておしゃぶりがいらなくなることが多いので、クセになる前に止めさせてあげるのも良いでしょう。
日中にぐずっているからといって、気軽におしゃぶりをさせるのはオススメできません。
もちろん、一時的に泣き止むことはあるかもしれませんが、そのままクセになってしまい2~3歳になってもおしゃぶりを離せなくなる子もいます。
2~3歳まで使ってしまうと、噛み合わせに異常が現れてしまう可能性があります。
ちょうどそのころまでに乳臼歯が揃う時期だからです。
どんなに遅くても、2歳半までには卒業させることをおすすめします。
おしゃぶりのやめさせ方
ハイハイができるようになって、赤ちゃんの世界が広がる生後6ヵ月頃に自然に止められるチャンスがあります。
この時期に好奇心をくすぐり、おしゃぶり以外のことに興味を持ってもらうと良いかもしれません。
1歳を過ぎてもおしゃぶりが取れないようであれば、クセになってしまっている可能性が高いです。
1歳を過ぎるとおしゃぶりが精神的な安定剤の役割を担っている可能性が高いので、そう簡単には止めさせられないケースが多いようです。
まずは昼間だけ止めさせることから始めたり、言い聞かせをしたり、隠してしまったり、何か嫌がるものをおしゃぶりに塗ったり、いろいろな方法があります。
ですが、特に子どもが寝入るときに、「おしゃぶりがないと寝れない!」となることがほとんど。
初めの数日間は大泣きしてしまうことを覚悟の上で止めさせることが必要です。